30坪の外壁塗装の相場を知って、値段だけで決めない業者選びを始めませんか?調べてみると、同じ30坪なのに50万円と書いてあるサイトと、180万円と書いてあるサイトが並びます。
そこで、外壁塗装の費用を掲載している8つのサイトの金額を集めて並べてみました。
「うちの30坪は、どっちの金額なの?」「なぜ3倍以上も開くの?」
金額が開く正体は、塗料でも業者でもありません。そもそも比べている家の大きさが違います。
この記事の内容全 34 項目
30坪2階建ての外壁塗装は総額いくらか

外壁だけなら60万〜140万円に重なる
延床30坪の2階建てで外壁だけを塗る場合、範囲で金額を出していた7サイトすべてが重なるのは90万〜98万円でした。ここはどのサイトの範囲にも収まる帯です。
もう少し広く取ると、7サイトのうち5サイトの範囲が60万〜140万円の中に収まります。予算を考えるときはこの幅で見ておくと、会社による違いを吸収できます。
下限側では50万円からと書くサイトが3つ、上限側では180万円までと書くサイトが1つありました。実例として1件だけ、ラジカル塗料でシーリング工事と付帯塗装を含まない条件で55.3万円という金額を出している施工店もあります。
屋根も塗ると70万〜180万円に上がる
屋根塗装をセットにすると、金額の帯は70万〜180万円へ動きます。屋根込みの金額を明記していた4サイトは、下限を70万円または110万円、上限を150万円または180万円としていました。
屋根と外壁を別々の年に頼むと、足場を2回組むことになります。同時に頼めば足場代が1回で済む分、10万〜20万円ほど安くなると書いているサイトもありました。
なぜ55万円から180万円まで開くのか
8サイトの下限と上限を並べると、最小55.3万円に対して最大180万円で、開きは約3.3倍になります。ここまで開く理由は、各サイトが想定している家が同じではないからです。
調べた8サイトは、塗装業者6件と一括見積もりサービス2件。いずれも各社が自社サイトに出している金額で、公的な統計ではありません。更新日を書いていたのは1サイトだけでした。
この8サイトのうち、30坪が延床面積なのか建坪なのかを書いていたのは5サイトでした。残る3サイトは、どちらを指しているのかを書いていません。そして両方を区別して金額を出していたサイトは、8つのうち1つだけでした。
| 30坪の前提 | 提示された金額 |
|---|---|
| 延床30坪 | 62万〜98万円 |
| 建坪30坪(総2階建て) | 120万〜180万円 |
同じ30坪という言葉で、金額が約2倍違います。建坪30坪の総2階建ては、延床にすると60坪相当の家。塗る面積が倍近くになるので、金額も大きく変わりやすくなります。
公的な統計とも突き合わせておきます。国土交通省の住宅市場動向調査によると、2023年度にリフォーム工事をした世帯の資金は平均154万円、中央値48万円でした。対象は三大都市圏の599世帯。外壁塗装の60万〜140万円は、この平均に近く、中央値の3倍近い金額にあたります。リフォームの中では大きめの支出になります。
※参照元:令和6年度 住宅市場動向調査|国土交通省(2025年6月公表)
※参照元:外壁塗装の費用を掲載する8サイトの金額を集計(2026年8月28日時点)
見積もりを比べる前にそろえる3点

金額が開く正体は、比べている家がそろっていないこと。見積もりを並べる前に確かめたい3点を見ていきましょう。
延床30坪か建坪30坪かで塗る面積が変わる
まず自分の家がどちらなのかを確かめてください。延床面積は各階の床面積を足したもの、建坪は1階部分の面積です。2階建てなら、建坪30坪はおおむね延床60坪になります。
登記簿や建築確認済証、住宅を買ったときの資料に延床面積が書かれています。数字が手元にあれば、業者に伝えるだけで見積もりの前提がそろいます。
外壁だけか屋根込みかで足場の使い方が変わる
屋根を含むかどうかで、金額は10万〜40万円動きます。屋根塗装そのものが25万〜45万円かかると書いているサイトがあった一方、同時施工なら足場代が浮く分だけ割安になるという説明もありました。
今年は外壁だけにして数年後に屋根を塗ると、足場代をもう一度払うことになります。屋根の状態を先に見てもらってから決めると、判断の材料がそろいます。
屋根を金属屋根で覆う工事を考えるなら、屋根カバー工法の費用は30坪でいくら?もあわせてご覧ください。
付帯部が入っているかで金額が動く
付帯部とは、雨どい・破風板・軒天・雨戸・水切りといった外壁以外の部分です。ここを含むかどうかが見積書に書かれていない場合があります。
今回調べた中には、55.3万円という金額に対して、シーリング工事と付帯塗装は含まないと明記していた例がありました。同じ家でも、含む見積もりと含まない見積もりでは金額が変わります。安いほうを選んだあとで追加請求が出るのは、この差が原因になりやすいところです。
費用の内訳はどこに何割かかるか

総額の中身がわかると、見積書のどこを確かめればいいかが決まります。内訳を4つに分けて見ていきましょう。
足場代は13万〜20万円が中心
足場代を明記していたのは8サイトのうち7サイトでした。提示額は10万〜30万円に散らばりますが、7サイトすべての範囲が重なるのは13万〜17万円あたりです。中心を取るなら13万〜20万円と見ておくと大きく外れません。
単価で書いているサイトでは、1平方メートルあたり700〜1,200円としていました。30坪の家の足場面積を約128平方メートルとすると、9万〜15万円の計算になります。見積書の足場代がこの幅から大きく離れているときは、面積と単価の内訳を聞くところです。
塗料代も総額の2割ほど
あるサイトは、100万円の工事の内訳を塗料と材料費で20%、足場代で20%、施工費と人件費で30%、利益と諸経費で30%としていました。この内訳では、塗料そのものは総額の2割でした。残る8割は人と段取りにかかる費用です。
塗料のグレードを上げても総額が倍になりにくいのは、この構造のためです。逆に、塗料を安いものに変えても総額はそれほど下がりません。
高圧洗浄と下地補修は別に立つ
高圧洗浄は3万〜6万円、養生は2万〜5万円、下地補修は5万〜15万円という金額を出しているサイトがありました。下地補修は傷み具合で動くので、契約前の時点では幅を持った金額になります。
この3つが見積書に項目として立っているかを見ると、その業者がどこまで工程を分けて考えているかが分かります。まとめて一式と書かれている場合は、内訳を出してもらってから比べます。
※参照元:外壁塗装の費用を掲載する8サイトの金額を集計(2026年8月28日時点)
塗料のグレード別に総額はどう変わるか

塗料選びで総額は数十万円変わります。グレード別の金額と、1年あたりに直したときの差を見ていきましょう。
シリコンは60万〜90万円が目安
あるサイトが出した30坪の総額は、アクリルとウレタンで50万〜70万円、シリコンで60万〜90万円、ラジカル制御型で70万〜100万円、フッ素で90万〜130万円、無機で110万〜150万円でした。
ただし耐用年数の書き方はサイトでそろっていません。シリコンは10〜12年と10〜15年、無機は20年以上と20〜25年で、サイトごとに数字が違いました。カタログ値ではなく幅として受け取るのが実態に近いところです。
1年あたりに直すと順番が入れ替わる
高い塗料ほど長持ちするので結局は得だ、という説明をよく見かけます。上の総額と耐用年数で実際に割ってみると、話はそれほど単純ではありませんでした。
| 塗料 | 総額 | 耐用年数 | 1年あたり |
|---|---|---|---|
| アクリル・ウレタン | 50〜70万円 | 5〜8年 | 6.3〜14.0万円 |
| シリコン | 60〜90万円 | 10〜12年 | 5.0〜9.0万円 |
| ラジカル制御型 | 70〜100万円 | 12〜15年 | 4.7〜8.3万円 |
| フッ素 | 90〜130万円 | 15〜20年 | 4.5〜8.7万円 |
| 無機 | 110〜150万円 | 20年 | 5.5〜7.5万円 |
この計算では、アクリルとウレタンだけが高く出ました。シリコンから上は、1年あたり4.5万〜9.0万円の同じ帯に重なります。無機はいちばん高い塗料ですが、1年あたりで見ると5.5万〜7.5万円で、シリコンの幅の中に収まりました。
この計算には条件が付きます。塗り替えのときにまだその家に住んでいるか、そのとき屋根や付帯部も傷んでいないか。条件が変われば実際の負担も変わってきます。20年後に建て替えや売却を考えているなら、耐用年数20年の塗料に払った差額は回収しにくくなります。
グレードより先に決めることがある
塗料の比較に時間をかける前に、あと何年その家に住むかを決めておくと選択肢が絞れます。10年なら10年もつ塗料で足りますし、それ以上の性能に払った差額は回収しにくくなります。
ここは業者に聞いても答えが出にくいところです。家族の予定という、住んでいる人しか持っていない情報で決まります。
塗装面積を自分で概算する

塗る面積は、延床面積から自分でも出せます。見積書の数量が妥当か判断できる3ステップを見ていきましょう。
延床面積に係数を掛ける
外壁面積は次の手順で概算できます。
- 延床面積の坪数に3.3を掛けて平方メートルに直す(30坪なら約99平方メートル)
- そこに係数を掛ける(1.2で約119平方メートル)
- 出た面積に塗料の単価を掛ける(シリコンで1平方メートルあたり約3,000円)
この手順だと、シリコン塗料の塗装費だけで約36万円という数字が出ます。ここに足場代と洗浄費、付帯部の塗装を足したものが総額になります。
その単価が何回塗る分なのか、足場を含むのかは出どころによって違います。外壁塗装の平米単価はいくら?相場と見積書を比べる3つの前提もあわせてご覧ください。
係数は1.2から1.6まで幅がある
掛ける係数はサイトでそろっていませんでした。1.2としているサイトが複数ある一方、1.2〜1.6と幅で書くサイト、1.1〜1.4とするサイトもあります。外壁面積として120〜150平方メートルと書いているサイトもありました。
同じ30坪でも、係数1.2なら119平方メートル、1.6なら158平方メートル。約40平方メートルの差は、シリコン塗料なら12万円ほどの差になります。凹凸の多い家や総2階でない家ほど、係数は大きくなります。
概算と見積書がずれたときに聞くこと
自分の概算と見積書の数量が大きく違ったら、次の順で確認します。
- その面積は実測か、図面からの計算か
- 窓やドアの面積を差し引いているか
- 付帯部の面積が外壁面積に混ざっていないか
面積の出し方を説明できる業者なら、そのあとの単価の話も噛み合います。答えが返ってこないときは、その見積書を他社と比べにくくなります。
同じ30坪でも金額が上がる条件

同じ延床30坪でも、条件しだいで数十万円上がります。上がりやすい3つの条件を見ていきましょう。
階数が増えると足場代が変わる
同じ30坪でも、2階建てと3階建てでは足場の高さが違います。高くなるほど設置費用は上がり、作業の効率も落ちます。
敷地が狭くて足場を組む余地がない場合や、隣家との距離が近い場合も、費用が上がる条件になります。前面道路が狭くて材料を運び込みにくい現場も同様です。
バルコニーや出窓が多いと手間が増える
凹凸の多い形状は、同じ延床面積でも外壁の表面積が増えます。先ほどの係数が1.2ではなく1.5や1.6になるのは、こうした家です。
バルコニーの内側、出窓のまわり、軒の裏側は、平らな壁より手間がかかります。面積で計算した金額に対して見積もりが高く出るときは、この部分が理由になっていることがあります。
下地の傷みが進んでいると補修費が別に出る
ひび割れやシーリングの切れが進んでいると、塗る前に直す工程が入ります。下地補修は5万〜15万円という幅で書かれることが多く、傷みが深ければこれを超えます。
外壁の構造や厚みで、傷み方も直し方も変わります。家の壁がどういう作りになっているかを先に知っておくと、業者の説明が理解しやすくなります。壁の厚さと構造と家の壁のひび割れの原因もあわせてご覧ください。
見積書で確かめる3つの欄

見積書は、金額の大小より先に見る欄があります。比べられる見積書かどうかを判断する3つの欄を見ていきましょう。
一式表記になっていないか
外壁塗装工事一式、付帯工事一式といった書き方では、何がどこまで含まれるのか分かりません。数量と単価が入っていない見積書は、他社と比べる材料にしにくいところです。
一式と書かれていたら、面積と単価に分けたものを出してもらいます。断られる場合は、その理由を聞いてから判断します。
塗りの回数が3回以上あるか
下塗り・中塗り・上塗りの3回を基本とする説明は、調べたサイトで共通していました。見積書に3回分の記載がなければ、何回塗るのかを確認します。
下塗りに使う塗料は上塗りと種類が違います。製品名まで書かれていれば、メーカーのカタログで耐用年数を自分で確かめられます。
塗料のメーカー名と製品名が書かれているか
シリコン塗装とだけ書かれた見積書では、どの製品を使うのか分かりません。同じシリコンでも、製品によって耐用年数も価格も違います。
国民生活センターには、訪問販売によるリフォーム工事と点検商法の相談が2025年度に5,544件寄せられました。2023年度の11,879件からは減ったものの、年間5千件を超える水準が続いています。その場で契約せず、書面を持ち帰って目を通す時間を取ってください。
※参照元:訪問販売によるリフォーム工事・点検商法|国民生活センター(2026年7月31日更新)
外壁塗装の相場は金額より前提をそろえることから
延床30坪の2階建てで外壁だけを塗るなら、範囲を出した7サイトすべてが重なるのは90万〜98万円でした。広く取れば60万〜140万円、屋根も塗るなら70万〜180万円。建坪30坪の総2階建ては別の家なので、120万〜180万円という別の帯で考えます。
足場代は13万〜20万円、塗料代は総額の2割ほど。1年あたりの費用で比べると、シリコンから上のグレードは4.5万〜9.0万円の同じ帯に重なりました。国土交通省の調査ではリフォーム資金の中央値が48万円なので、外壁塗装はリフォームの中でも大きめの支出にあたります。
見積もりを取る前に、延床面積の数字を手元に用意してください。そのうえで屋根を含むか、付帯部を含むかを伝えれば、複数社の見積もりが同じ土俵に乗ります。金額の違いが会社の違いなのか工事範囲の違いなのかは、そこで初めて見分けられます。
福井県内で外壁や住まいのことを相談したい方は、福井の住まい情報もあわせてご覧ください。
よくある質問
相場より大幅に安い見積もりは何を疑えばいいですか
まず工事の範囲を確かめてください。付帯部やシーリングを含まない見積もりは、その分だけ安く出ます。塗りの回数が2回になっていないかも見るところです。
外壁塗装はリフォームの中では高いほうですか
大きめの支出にあたります。国土交通省の調査では、リフォーム工事をした世帯の資金は中央値で48万円でした。外壁塗装の60万〜140万円は、その3倍近くになります。
外壁塗装に使える補助金はありますか
塗装だけを対象にした国の制度は限られますが、断熱改修とあわせた工事なら国の支援事業の対象になる場合があります。市区町村が独自にリフォーム補助を出していることもあるので、お住まいの自治体の窓口で確認してください。制度は年度ごとに変わります。
冬に外壁塗装をしても大丈夫ですか
気温5度以下や湿度85%以上では塗装を避けるという基準が、調べたサイトで共通して挙げられていました。冬でも日中の条件を満たせば施工はできます。ただし乾燥に時間がかかる分、工期は延びがち。雪の多い地域では春や秋に工事が集まります。