ベランダ防水の見積もり。金額の中身を知って、出てきた数字を自分で判断できるようになりませんか?床を覆う膜を張り替える工事ですが、実は同じ広さでも総額に大きな差が出ます。前提を確かめないまま選ぶと、安く見えたほうが工事の中身を含んでいないおそれがあります。
例えば、床10㎡のベランダだと総額は2万5,000円から30万円(8件を集計・2026年9月時点)。一方で1㎡あたりの単価は、どの工法でもよく似た範囲に収まっています。
そこで、
「うちはどっちの数字に近いの?」
「なぜ12倍も違うの?」
と気になるあなたへ、ベランダ防水工事の費用の見方をご紹介。自分の家の防水面積を出す手順や、見積もりを頼む前に確かめることもお伝えします。
金額に差が出る落とし穴もおさえながら、納得して頼める工事の形をつくっていきましょう!
この記事の内容全 38 項目
ベランダ防水工事の費用は工事の中身で決まる

防水するのは床だけではない
ベランダ防水とは、床と、そのまわりの壁を少しのぼったところまでを、一続きの膜で覆う工事のこと。この壁側の部分を立ち上がりと呼びます。覆うのは床だけではなく、手すり壁の内側と、部屋との境にあるサッシの下も、決められた高さまで巻き上げます。
木造の家では、この膜が切れると雨水が根太(ねだ=床板を支える横木)や土台へ回ります。木は水を吸うと乾きにくいもの。濡れたり乾いたりを繰り返すうちに腐っていきます。日本防水材料連合会の施工指針が、木造建築物のベランダを適用範囲に入れているのはそのためです。
なお、ベランダとバルコニーは屋根の有無で呼び分けることが多いものの、防水工事の中身は変わりません。この記事ではベランダに統一して進めます。
※参照元:木造建築物 防水工事施工指針|一般社団法人 日本防水材料連合会(2026年9月時点)
水を止めるのは防水層 表面はトップコート
ベランダの床は、下から順に下地、防水層、トップコートという重なりでできています。雨水を止めているのは真ん中の防水層で、これが工事の主役。いちばん上のトップコートは、紫外線と人が歩く摩擦から防水層を守る薄い塗膜で、それ自体が水を止める役ではありません。
この違いが分かると、見積もりの見方が変わります。色があせた、表面が粉をふく、といった変化はトップコートの傷み。塗り替えで足ります。いっぽう、ひびが防水層まで届いていたり、床を踏むとぶかぶかしたりする場合は、防水層そのものをやり直す工事になります。
同じ「ベランダの防水」という言葉でも、前者と後者では工事の中身も金額もまったく違います。費用を比べる前に、自分の家がどちらなのかを見ておきましょう。
ベランダ防水工事の費用相場は10㎡でいくらか

費用の目安を載せている媒体を8つ集めて、総額と単価に分けて並べました。同じ工事のはずなのに、総額だけが大きく違います。まずは総額の散らばり方から見ていきましょう。
総額は2万5,000円から30万円まで差がある
床10㎡のベランダで並べると、いちばん低い数字が2万5,000円、いちばん高い数字が30万円。12倍の差があります。
金額のまとまり方にも差がありました。下は2万円台から始まるものもあれば、下限がすでに18万円というものもあります。同じ広さの同じ工事を指しているはずなのに、いちばん安い目安といちばん高い目安は27万5,000円も離れています。どれを基準にすればいいのか、金額を並べただけでは決められません。
※費用の目安を載せている媒体8件を集計(2026年9月時点)
全部に共通して入る金額はない
8件の金額の範囲を見比べると、すべてに共通して入る金額は1つもありませんでした。いちばん高い下限が18万円で、いちばん低い上限が8万円。この2つが逆転しているので、8件が同時に含む金額は存在しません。
いちばん多く重なるのが10万円のあたりで、8件のうち6件。予算のあたりを付けるならこの金額ですが、6件どまりという数字は、10万円が正解だという意味ではありません。前提がそろっていないまま数字だけが並んでいる、と考えるほうが実態に近いといえます。
1㎡あたりの単価は工法が違っても近い
不思議なのは、1㎡あたりの単価を見ると各社の数字がよく似ていることです。工法が違っても、多くは3,000円台から8,000円台に収まります。
| 工法 | 単価の幅 | 多くが収まる範囲 |
|---|---|---|
| ウレタン防水 | 3,000〜9,750円 | 3,000〜8,000円 |
| FRP防水 | 4,000〜11,050円 | 4,000〜8,000円 |
| シート防水 | 2,500〜9,750円 | 2,500〜8,000円 |
上限が9,000円を超えているのは、下地を先に処理してから防水する工法を含めているためです。その分を外せば、3つの工法はほとんど同じ範囲に収まります。
ここで計算が合わなくなります。単価の上のほうを取って10㎡に掛けても8万円。総額の上限だった30万円には、まるで届きません。単価では説明できない金額が乗っているわけです。
1㎡あたりいくらという数字が、どこまでの工事を含んでいるのか。この見方は外壁の塗装でも同じなので、外壁塗装の平米単価と見積書の見方にも目を通しておくと、数量の見方がつかめます。
※費用の目安を載せている媒体8件を集計(2026年9月時点)
なぜ単価が同じなのに総額に差が出るのか

総額に差が出る理由は、工法のグレードではありません。防水する面積の数え方と、面積が小さくても減らない費用が効いています。順番に確かめていきましょう。
10㎡が指しているのは床の広さ
原因は、10㎡という数字が指しているものにあります。これは床の広さで、防水する面積ではありません。
ベランダには必ず立ち上がりがあります。建築基準法施行令は、2階以上のバルコニーの周囲に高さ1.1m以上の手すり壁やさくを設けるよう定めています。落ちないための決まりですが、防水の側から見ると、床のまわりに必ず壁が立っているということ。その壁の内側にも、防水の膜を巻き上げていきます。
※参照元:建築基準法施行令 第126条|e-Gov法令検索(2026年9月時点)
立ち上がりは250mm サッシ下は120mm
どこまで巻き上げるかは、業者が決めていいものではありません。施工指針が定めているのは、開口部の下端で120mm以上、手すり壁など開口部以外の部分で250mm以上。新築の家に付ける住宅かし保険(雨漏りなどを保証する保険)の基準も、同じ数字です。
なぜサッシの下だけ低いのかというと、ここは室内の床の高さで頭打ちになるから。それ以外の場所は、雨がはね返っても越えない高さとして250mmが引かれています。
つまり見積書の数量には、床の広さに加えて、壁をのぼる分の面積が入っているはずです。入っていなければ、工事の範囲か数量のどちらかが足りません。
※参照元:木造建築物 防水工事施工指針|一般社団法人 日本防水材料連合会/設計施工基準同等仕様|日本住宅保証検査機構(2026年9月時点)
ベランダが小さいほど床との差が大きい
実際に数字を入れてみます。よくある3つの大きさで、床の広さと防水する面積を出しました。
| 間口×奥行 | 床の面積 | 防水する面積 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 1.8×0.9m | 1.62㎡ | 2.74㎡ | 1.69倍 |
| 3.6×1.2m | 4.32㎡ | 6.25㎡ | 1.45倍 |
| 5.4×1.5m | 8.10㎡ | 10.85㎡ | 1.34倍 |
目を引くのは、小さいベランダほど倍率が上がること。立ち上がりの面積はまわりの長さに沿って増えるのに対し、床は縦と横を掛けた広さで増えます。小さいベランダでは、周囲の長さが相対的に長くなる分、立ち上がりの割合が大きくなります。
「うちは小さいから安く済むはず」という見込みが外れるのは、この形の性質によるものです。加えて、職人が来る日数も、養生も、材料を運ぶ手間も、ベランダが小さいからといって半分にはなりません。面積を半分にしても金額が半分にならない理由は、ここにあります。
※立ち上がりは手すり壁側3辺を250mm、サッシ側を120mmとして住まいのサポナビが試算(2026年9月時点)
自分のベランダの防水面積を出す3つの手順

メジャーが1本あれば、防水する面積は自分で出せます。出しておけば見積書の数量と見比べられるので、金額の根拠を業者に聞けるようになります。3つの手順で進めていきましょう。
1 床の間口と奥行きを測る
まずメジャーで床を測ります。測るのは手すり壁の内側から室内側の壁までの奥行きと、左右の壁の内側どうしの間口。掛け合わせた数字が床の面積になります。
このとき、手すり壁の厚みは入れません。ここで数えると、次の手順で足す壁側の分と二重になります。
2 立ち上がりの長さに高さを掛ける
次は壁側です。手すり壁に接している3辺の長さを足して、0.25mを掛けます。サッシ側は長さに0.12m。この2つを足したものが立ち上がりの面積になります。
間口3.6m、奥行き1.2mのベランダなら、手すり壁側は6m。これに0.25を掛けて1.5㎡。サッシ側の3.6mに0.12を掛けて0.43㎡。合わせて1.93㎡が床に足されます。
3 見積書の数量と見比べる
手順1と手順2を足した数字が、見積書の数量欄に近ければ、その見積もりは立ち上がりを見ています。床の広さとほぼ同じなら、立ち上がりが抜けているか、別の項目で数えているかのどちらかです。
数量欄が「一式」になっていたら、何㎡で計算したのかを聞きます。答えられない見積もりは、金額の根拠を持っていないということ。自分で出した数字を手元に持っておくと、この質問がしやすくなります。
なお、同じように面積が金額を左右する工事として屋根があります。考え方は共通しているので、屋根カバー工法の費用と屋根面積の出し方も参考にしてみてください。
修繕で済むか作り直しになるか

同じベランダ防水でも、傷み方によって工事の中身が変わります。表面を直すのか、下地から作り直すのか。国の周期の目安と、床に出るサインをたどっていきましょう。
工事の周期は2段階に分かれる
国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインは、バルコニーの床防水について2段階の周期を挙げています。12年から15年で修繕、24年から30年で撤去して新しく作り直す、という組み立てです。前の周期をちょうど2倍にした年数が、作り直しの目安。新築から12年目に1回目の修繕、24年目に作り直しという流れです。
これはマンションの計画づくりに使う目安なので、戸建てにそのまま当てはまるわけではありません。それでも2段階に分かれているという考え方は共通して使えます。12年目の工事と30年目の工事では、中身が違って当然なのです。
※参照元:長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)|国土交通省(2026年9月時点)
古い防水層をはがすかどうかで工事が変わる
2段階の違いが表れるのは、古い防水層をどうするか。国土交通省の公共建築改修工事標準仕様書では、既存の防水層を撤去するかしないかが、工法の区分そのものとして書き分けられています。専門の仕様書でも分けて扱うほど、中身の違う工事だということです。
上から重ねれば、古い層はそのまま。工期は短く、廃材も出ません。はがせば、下地の状態を見てから直せるかわりに、撤去の手間と廃材の処分費が乗ります。同じ10㎡でも総額に差が出るのは、この選択が入っているからです。
※参照元:公共建築改修工事標準仕様書 建築工事編 令和7年版|国土交通省(2026年9月時点)
水たまりとひび割れと雨漏りは下地のサイン
どちらの工事になるかは、床に出ている変化からある程度見当がつきます。
- 雨がやんでしばらくたっても水たまりが残る
- 床を踏むとやわらかい、または浮いた感じがする
- 室内の天井や壁にしみが出ている
施工指針は、下地の勾配を100分の1から50分の1と定めています。1m進むごとに1cmから2cm下がる傾き。奥行き1.2mのベランダなら、壁ぎわと排水口で1cmから2cm半ほどの高低差になります。水が引かないのは、この傾きが足りないか、下地が変形しているということ。表面を塗り直すだけでは戻りません。室内にしみが出ている場合は、防水層だけでなく下の木部まで見る工事になります。
ベランダからの雨漏りを直す工事は、防水のやり直しに下地の補修が加わるので、費用の組み立てが別になります。工事の範囲が広がる前に、水たまりの段階で相談しておくと選べる工法が増えます。
※参照元:木造建築物 防水工事施工指針|一般社団法人 日本防水材料連合会(2026年9月時点)
表面の塗り替えで足りることもある

防水層が傷んでいなければ、表面を塗り替えるだけで済みます。費用はやり直す工事の3分の1ほど。どこまでなら塗り替えで間に合うのか、自分で塗れる範囲はどこまでかを押さえておきましょう。
トップコートの費用と延命できる範囲
防水層が生きていれば、トップコートの塗り替えだけで間に合います。集計した金額では、1㎡あたり2,500円から3,500円ほど。10㎡なら2万5,000円から3万5,000円が目安です。
防水層をやり直す工事と比べると、3分の1ほどに収まります。ただしこれは工事を先送りにする手当て。防水層が新しくなるわけではなく、5年ほどで次の塗り替えが来ます。
見分け方は前に書いたとおりで、表面の色あせや粉ふきならトップコート、ひびが深く入っていたり床が浮いていたりすれば防水層です。迷ったら、業者に床を踏んでもらって判断を聞きましょう。
※費用の目安を載せている媒体8件を集計(2026年9月時点)
自分で塗るならどこまでできるか
ホームセンターで材料を買えば、表面の塗り替えは自分でもできます。防水層のやり直しとなると話は別です。
施工指針は、下地が濡れたまま防水すると、あとから脱気装置を付けても乾かないと書いています。表面をふさいだ内側に、水が閉じ込められる形になるためです。降った雨をどう養生するか、下地がどこまで乾いたかの判断は、道具より経験のいる部分。
材料代だけを見ると自分で塗るほうが安く付きます。けれど失敗したときに戻せるのは表面だけ。中に残った水分は外から見えません。防水層に手を入れるなら、業者に頼んだほうが結局は安く収まります。まずは1社に床を見てもらって、自分で塗れる状態かどうかを確かめてみてください。
※参照元:木造建築物 防水工事施工指針|一般社団法人 日本防水材料連合会(2026年9月時点)
工法は下地の状態と使い方で選ばれる

工法は3つ。どれが優れているかではなく、ベランダの形と使い方で向き不向きが分かれます。自分の家がどれに当てはまるか見比べてみましょう。
| 工法 | 向いているベランダ | 上を歩く | 工期 |
|---|---|---|---|
| ウレタン防水 | 形が複雑 | ふつう | 長め |
| FRP防水 | 出入りが多い | 強い | 短い |
| シート防水 | 広くて四角い | 弱い | 短い |
ウレタン防水の単価と向いているベランダ
ウレタン防水は、液体の防水材を塗り重ねて膜を作る工法。単価は1㎡あたり3,000円から8,000円が中心です。
液体なので、室外機の台があったり、角が多かったりする形にもなじみます。形を選ばないのが持ち味。戸建てのベランダでいちばんよく使われます。塗り重ねるたびに乾く時間が要るため、工期は他より長めです。
FRP防水は硬くて上を歩ける
FRP防水は、ガラス繊維を樹脂で固めて硬い層を作る工法。単価の範囲はウレタン防水とほぼ同じです。
硬くて丈夫なので、洗濯物を干しに毎日出入りするベランダ向き。硬さは弱点にもなり、建物が動いたときにひびが入ることがあります。木造の広いベランダでは、この動きを見てから選びましょう。
シート防水の単価と向いている広さ
シート防水は、工場で作られたシートを下地に張る工法。単価は3つのなかでいちばん低いところから始まります。
工場で作った材料なので厚みが均一で、広い面ほど手際よく仕上がります。そのかわり、細かく入り組んだ形は苦手。戸建てのベランダより、広いルーフバルコニーや屋上でよく使われます。
同じウレタンでも工法で単価が変わる
同じウレタン防水でも、下地に直接塗る密着工法と、通気層になるシートをはさむ通気緩衝工法では単価が違います。費用の目安を載せている媒体8件では、通気緩衝工法のほうが2割ほど高い金額でした。
選び分けるのは好みではなく下地の状態です。
- 密着工法=下地が乾いている
- 通気緩衝工法=下地に水分が残っている
下地に水分が残っていると、塗った膜が水蒸気で押し上げられて膨れます。それを逃がすために通気層を入れるので、雨漏りが起きた後のベランダでは通気緩衝工法が選ばれやすくなります。見積もりに工法名が書かれていたら、なぜその工法なのかを聞いてみてください。
※費用の目安を載せている媒体8件を集計(2026年9月時点)
見積もりを頼む前に確かめること

ここまでが分かったら、あとは頼むだけ。ただし工事の範囲を決める3つは、こちらから言わないと見積書に載らないまま総額だけが並びます。頼む前に伝えること、届いてから見ることを挙げていきましょう。
足場が要るかどうかを先に聞く
まず聞いておきたいのが足場です。見積もりでいちばん大きく動く項目で、集計では、足場が要る場合に別途10万円前後。工事本体が3万円から8万円ということを考えると、本体より高くなる場合があります。
要るか要らないかは、どこを触るかで決まります。労働安全衛生規則が定めているのは、高さ2m以上の場所で作業するときに作業床を設けること。ベランダの中なら床そのものが作業床になるので、足場を組まないことが多いといえます。手すり壁の外側や笠木(かさぎ=手すり壁の上に載る仕上げ材)を触るなら、外から足を掛ける場所が要ります。
外壁の塗装を数年内に考えているなら、同時にやれば足場は1回で済みます。時期が近いかどうかも一緒に相談してみてください。足場代がいくらで、何を含んでいるかは外壁塗装の相場と内訳にまとめているので、あわせてご覧ください。
※参照元:労働安全衛生規則 第518条|e-Gov法令検索(2026年9月時点)
下地が傷んでいたときの決め方を聞く
古い防水層をはがす工事では、下地の状態が見えるのは工事が始まってからです。木部が腐っていれば、そこを直す費用が後から乗ります。
契約の前に聞いておきたいのは、金額そのものではなく決め方のほうです。傷みが見つかったときに、いくらで、誰が判断して追加するのか。ここを先に決めておけば、工事の途中で金額の話をしなくて済みます。
届いた見積書は5項目で見比べる
見積書が届いたら、金額の前に次の5項目を見ます。ここがそろっていない見積もりどうしは、そもそも比べられません。
| 確かめる項目 | 見るところ |
|---|---|
| 防水の数量 | 立ち上がりを含むか |
| 排水口まわり | ドレン改修の有無 |
| 既存の防水層 | 撤去か重ね張りか |
| 下地の補修 | 含むか別途か |
| 足場 | 要るか不要か |
施工指針は、排水口を原則として1区画に2か所以上置くよう求めています。1か所しかないベランダで落ち葉が詰まると、水の逃げ場がなくなって立ち上がりを越えます。工事のときに、あふれた水を逃がすオーバーフロー管を足せないかも確かめておきたいところ。
5項目のどれかが空欄だったら、その場で聞きます。安いほうが安く見えているだけなのか、本当に安いのか。同じ前提でそろえてはじめて、金額の差がどこから来ているのかが分かります。
※参照元:木造建築物 防水工事施工指針|一般社団法人 日本防水材料連合会(2026年9月時点)
ベランダ防水工事の費用は面積をそろえて比べる
10㎡で2万5,000円から30万円という差は、工法のグレードが生んだものではありませんでした。その数字が床だけを指しているのか、立ち上がりまで含んでいるのか。古い防水層をはがすのか、上から重ねるのか。足場が要るのか要らないのか。前提が違うまま金額だけが並んでいたのです。
頼むまでにやることは4つです。順番に進めれば、出てきた金額を自分で判断できます。
- メジャーで床を測り、立ち上がりを足して防水面積を出す
- 床の水たまりとひび割れを見て、塗り替えで足りるか判断してもらう
- 2社以上に、同じ面積と同じ工事の範囲を伝えて見積もりを頼む
- 届いた見積書で、数量・撤去・下地補修・排水口・足場の5項目を確かめる
1つ目にかかるのは、メジャー1本と5分ほど。この数字を持っているかどうかで、見積書を見たときに聞ける質問が変わります。ベランダは家の中でいちばん雨を受け止めている場所。その工事の中身を、金額だけで決めてしまわないようにしたいものです。
よくある質問
工事のあいだ洗濯物は干せますか
干せません。床に材料を塗り重ねていくので、乾くまでベランダに出入りできない日が続きます。乾く時間を何度も取るウレタン防水は、出られない日数が他の工法より長め。工期を聞くときは、何日ベランダを使えないかもあわせて確かめてください。
雨の日でも工事はできますか
できません。防水の施工指針は、雨に濡れた下地の上では作業しないよう養生を求めています。濡れた下地をふさぐと、中に水分が残ったまま乾かなくなるため。梅雨や台風の時期に工期がずれるのは、手を抜いているのではなく必要な待ち時間といえます。
マンションのベランダは自分で直すのですか
多くの場合、マンションのバルコニーは専有部分ではなく共用部分で、住んでいる人に専用使用権が与えられている扱いです。日々の清掃は使う人が、防水の工事は管理組合が担当するのが基本になります。個人で業者を呼ぶ前に、管理規約を確認してください。
※参照元:専用使用権とは何ですか|国土交通省 マンション管理・再生ポータルサイト(2026年9月時点)
台風で傷んだ場合は火災保険を使えますか
自然災害による損害は補償の対象になりますが、経年劣化やさびによる損害は対象外です。日本損害保険協会は、保険金で自己負担なく修理できると勧誘する業者とのトラブルに注意を呼びかけています。請求は加入者本人でできるので、業者と契約する前に保険会社へ直接連絡してください。
※参照元:住宅の修理などに関するトラブルにご注意|一般社団法人 日本損害保険協会(2026年9月時点)
工事はどのくらいの日数がかかりますか
10㎡のベランダで1日から4日が目安です。シート防水やFRP防水は短く、ウレタン防水は塗り重ねるたびに乾かす時間が要るため長め。下地の補修が入ると、そのぶん日数が足されます。